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ひとつのダイヤモンド 2/2 |
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“アルゼンチン風バッハ”、そして“21世紀のギター・ルネッサンス”へ 13歳のとき、ラジオから突然きこえてきた、アルゼンチンのアタウアルパ・ユパンキのギターの調べ。 インカ帝国最後の皇帝ふたりの名(この名はふたつ続けることにより、インカの公用語であったケチュア語で、“遥か遠方より来る語り部”という意味をなす)を芸名としてもつ、この南米民俗音楽の最高峰的奏者の奏でる音色が、少年だった私を魅了し、後の運命を決定づけたのは、まさにその瞬間でした。 それから長い年月が流れ、数奇な運命の糸にあやつられた私は、気がつくとニューヨークに暮らし、巨匠の歩んだ道を辿るひとりのカミナンテ(道行くもの)として、日々、真の南米音楽の研鑽と、そこから生まれる私自身のギター音楽の創造に、ただひたすら情熱を注いでいます。 そんななかから生まれた、バッハの音楽を南米音楽に融合させた私独自のスタイルである“アルゼンチン風バッハ”は、今年(2009年)、カーネギーホールへの招演というかたちで実を結び、これまでの私のキャリア上、ひとつの集大成となりました。 1970年代後半、私がユパンキのギターの調べにはじめて魅せられたころ、巷にはギターの音楽があふれており、多くの人々が、この美しい音色の楽器を弾いていたものです。 しかし現在、芸術楽器としてテクニック主体となり、音色の美しさを失いつつあるギター音楽は、残念ながら非常に狭い範囲の、愛好家の中にのみ隔離されている傾向にあります。 ギターは、その素朴な音色だけで人の心を動かすことのできるエモーショナルな楽器です。
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